Research 《 渡部の研究 》

■ 渡部の研究テーマは?

研究テーマ

このことを探求するために具体的には、「よいかげんな知」「見えない能力(コンピテンシー)」および「しみ込み型の学び」を検討の中心に置きながら様々な「学び」の現場に関わる、ということを40年に渡り続けてきました。例えば・・・

研究テーマ

その他にも、脳損傷(失語症)の言語再獲得教育、ミュージカル俳優養成教育、ネット・カウンセリングなどのプロジェクトを実施してきました。これら様々な教育現場の「学び」を探求しながら、人間の「知」について考えてきました(詳しくは、各プロジェクトのサイトを参照して下さい。)

■ これまでの研究成果は?

私はこれまで、研究成果を書籍としてまとめ公開してきました。ここでは、その主なものを紹介します。

鉄晋
『 鉄腕アトムと晋平君─ロボット研究の進化と自閉症児の発達─』1998 ミネルヴァ書房

人間(自閉症児)の「知」や「学び」をロボット(AI)と一緒にだぶらせて考えてみようとした私としては最初の試み。人工知能(AI)研究におけるキーワード「フレーム問題」を中心に検討した。『鉄腕アトムと晋平君』の続編として、『障害児は「現場」で学ぶ─自閉症児のケースで考える─(2001 新曜社)』や『自閉症児の育て方─笑顔で育つ子どもたち─(2004 ミネルヴァ書房)』がある。
ロボ
『 ロボット化する子どもたち─「学び」の認知科学─』2005 大修館書店

『鉄腕アトムと晋平君』シリーズの最終作。「よいかげんな知」や「しみ込み型の学び」など認知科学的な視点から、行き詰まりつつある「近代教育」に変わる新しい「学び」を提案した。一方でロボットや人工知能(AI)における最先端の研究成果を、もう一方で日本に昔から伝わる「学び」の視点を取り入れて検討した。
平成28年度 筑波大学 前期日程入学試験・国語(現代文)など、多くの大学入試問題に採用されている。
わざ
『 日本の「わざ」をデジタルで伝える 』2007 大修館書店

日本伝統芸能における「わざ」の保存・継承をモーションキャプチャや3DCGを活用して支援するプロジェクトの紹介。伝統芸能というアナログな世界に最先端のデジタルテクノロジーを活用することによって見えてきた、「よいかげんな知」や「しみ込み型の学び」について詳しく検討した。
平成25年度(平成26年度採用者用)警視庁および警察官Ⅰ類(大卒程度)本試験に採用されている。
事典
『 「学び」の認知科学事典 』2010 大修館書店

渡部が編者として、全国の著名な研究者34名に最新の「学び」について執筆していただいた(監修:佐伯胖先生)。 「学び」に関する哲学的考察、子どもの「学び」、遊びと「学び」、「学び」の発達、大人の「学び」、企業における「学び」、「学び」の脳科学、動物の「学び」、「学び」の評価、「学び」とテクノロジー、「学び」と身体空間、認知ロボティクスにおける「学び」など、様々な視点から「学び」について検討されている。
超デジ
『 超デジタル時代の「学び」─よいかげんな知の復権をめざして─』2012 新曜社

20世紀後半の高度経済成長期、20世紀末から21世紀初頭の高度情報化時代、そしてこれからは人間にとってデジタルテクノロジーが空気のような存在になる「超デジタル時代」になるだろう。本書では、機械中心ではなく、人間の側に立ってデジタルテクノロジーを活用した7つのプロジェクトを紹介した。
平成26年度 同志社大学 一般入試・国語に採用されている。
大学
《大学教育シリーズ2》『 成熟社会の大学教育 』2015 ナカニシヤ出版

《大学教育シリーズ1》『 日本の「学び」と大学教育 』2013 の続編。高度経済成長期に有効だった「近代教育」を基礎とした大学教育が、これから成熟期を迎える日本社会においては必ずしも有効であるとは限らない。
本書では、私がこれまで積み重ねてきた人間の「知」と「学び」に関する研究、特にデジタル(AI)的視点からの検討成果を、今行き詰まりつつある「大学教育」に当てはめて検討した。
印刷中
『 教育現場の「コンピテンシー評価」─「見えない能力」の評価を考える─』印刷中 ナカニシヤ出版

教育現場における「見えない能力(=コンピテンシー)」とは何か? また、それをどのように「評価」したら良いのか? 「記号(例えば、言語)」で表すことのできる「見える能力」は、客観的・分析的な評価が可能である。しかし、「教育」にとって本当に大切なのは対象の「意味システム」の理解であり、それには「見えない能力(=コンピテンシー)」が大きく関与する本当の「学び」が必要不可欠であることを提唱した。

■ 渡部の専門分野は?

人間科学、認知科学、教育心理学、教育情報学・・・科学哲学

正直言えば、「専門分野は?」と聞かれると、とても困ってしまいます。脳損傷、特に失語症の研究をしているときには「脳科学」や「神経心理学」、自閉症の研究をしているときには「自閉症教育学」や「特殊教育学」、伝統芸能の研究をしているときには「民俗学」、ICT活用教育の研究をしているときには「教育工学」が専門ですと言えば周りの人はよくわかって下さいますが、私自身はどうもしっくりしません。私が本当に探求したいのは人間の「知」や「学び」に関してなので、これらの学問分野とは少し違います。あえて言うとしたならば、人間科学、認知科学、教育心理学、教育情報学・・・そして科学哲学あたりでしょうか。

現在、私が一番「興味を持っていること」は・・・

これからの「成熟社会(少子高齢化社会)」において、人間の「知」や「学び」はどうあるべきか? このことを、・・・
① 日本がこれまで長い間に醸成してきた「知」や「学び」を強く意識しながら検討してゆくこと、
②「最先端の人工知能(AI)研究」の成果を強く意識しながら検討してゆくこと。

つまり、「時間(成熟社会および最先端の科学技術)」と「空間(日本)」を強く意識しながら、人間の「本質的な深い部分」にアプローチしてゆきたいと考えています。

TOP PAGE