小嶋秀樹 | 研究室
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PAC 分析とは

PAC 分析の PAC とは Personal Attitude Construct,すなわち「個人別態度構造」というもので,あるテーマについて個人がもつイメージや態度のことです.PAC 分析は,被験者本人にも言語化しづらい内的世界について,質的(自由連想と対話)および量的(クラスター分析)に分析することができます.基本的に被験者は1名です.

【PAC 分析の手順】
  1. 当該テーマに関する自由連想(アクセス)

    被験者にカードを渡し,自由に語句や文を書いてもらいます.(実験者側が調査項目を事前に設定するのではない点に注目)

  2. 連想された項目間の被験者による距離評定

    カードに書かれた語句や文のイメージを「ペア」にして,イメージ同士の距離(正確には「非類似度」)を被験者に評定してもらいます.(したがって項目数が増えると,距離評定の回数は指数的に増えていきます.項目数は 20 以下が現実的でしょう)

  3. 距離行列によるクラスター分析

    実験者は 2. で得られた各ペア間の類似度にもとづいて階層的クラスタリングを行い,デンドログラムを作成します.(クラスタ間距離の計算には「ウォード法」がよく用いられるようです)

  4. 被験者によるクラスター構造の印象や意味解釈の報告

    得られたデンドログラムを被験者に見てもらい,各クラスタごとの意味やクラスタ間の関係を解釈してもらいます.

  5. 実験者による総合的な解釈

    自由連想や対話,そしてクラスター構造についての解釈報告などを総合して,被験者のもつイメージや態度の構造を推定していきます.

【PAC 分析支援システム】

「PAC 分析支援システム」をウェブアプリとして実装しています.まだ試作段階ですが,使用者の責任のもとでご自由にお使いください.